アルバム評 |
仲井戸麗市の歌詞は非常に難解でほとんど何を歌ってるかわかりにくい。ここまでわけのわからん歌詞を書ける人は少ないと思う。既存の音楽に飽きてる人は一度聞いてみる価値あり。2人ともギターリストだけあって,ギターの音がむちゃくちゃいい。アコースティックでもエレキでもギターがうまい。それにしても昔,仲居戸麗市が古井戸というグループでアコギ弾いてたのを知ってる人はどれくらいいるだろうか。「さなえちゃん」の作者です。このアルバムの中では「ハイキング」「ハーモニー(挽歌)」がいいです。エレキを弾く人とかは「ミュージック」のイントロはすごくかっこいいので参考になるかも。
文句なしに関西ミュージックを代表するアルバムといえばこのアルバム。このころの上田正樹はもうばりばりのブルースを歌ってる。ジャッケットの食い倒れ人形のセンスといい、それだけで内容までわかる濃い内容になってる。1974年に出たとは思えんぐらいかっこいい。なかでも,「梅田からナンバまで」は関西人として知っておいて損はない,もう名曲中の名曲。この歌をどれだけ多くの関西ミュージシャンがカバーしているか。リクオの歌詞の中に出てくるぐらい有名。リクオというは関西のピアニスト。個人的にこのアルバムはキダタローの曲?(CMソング)と同じくらい関西人に浸透してほしい。
久しぶりに若者でかっこいい音楽やと思った。特に1曲目の「ありったけの愛」は,すごいかっこいい。ガットギターの心地よいカッティングやベースのノリとか曲に勢いがある。この曲のためだけにアルバムを買ったけど,十分この曲だけでその価値はあると思う。ちなみにこのボーカルの佐藤泰司がギターマガジンで表紙を飾ったのは結構知ってる人がいると思う。
まずこのタヌキおやじがなんでこんな繊細な音楽や力強い音楽ができんねん,と思うぐらい外見とのギャップが激しい。ライブに行って思ったのが意外に背も低く、顔がでかく、指もそんなに大きくない,ということでそれやのにあのギターのうまさはどこからくるねんと思う。このアルバムでも「CLEOPATRA'S DREAM」で山下洋輔と2人で演奏してる時のアコギの生々しさ,技術がすごい。ギターリストといえば布袋やB'zのギタリストを思い起こす人が多いと思うけど,僕はまずこの渡辺香津美を思い起こす。多分ギターの弾くジャンルの幅,テクニック,音楽性どれをとっても日本一やと思う。(勿論,坂本龍一とかとの公演で世界でも有名だが)「SAMBA DE ASTRONAUTA」「ST.THOMAS」「BLUE STAR」など聞き易い?曲も多いと思う。
この頃気に入ってるアルバム。昔なら聞かなかったけど,いまなら十分自然に聞けると思う。最初は抵抗があるかもしれないけどそのうち,なれてきたら中毒のように聞かずにはおれなくなる状態がくるかもしれない。僕はそうゆう状態になりました。アレンジがよくて,「let it be」はなんだこれはと思うだろう。曲を言われなければまずわからんと思う。僕はさびぐらいでひょっとしてこれあの曲ちゃうん?と思って曲名をみました。
最初,矢野顕子を知らずにこの声を聞いたとき、何じゃこのおばはんは。このぶりっこみたいな声なんか二度と聞くか,とか思ってたのに何年かたって,妹がアルバムをもってて,聞いてみるとはまってしまった。僕は個人的に声に特長のある人が好きで,この人の声も好きな人はたまらんぐらい好きで,生理的に受け付けない人はまったく聞かないと思う。このアルバムはというと、ピアノの弾き語りのみで勿論,矢野顕子が弾いてて、僕のような人にはかなりいいアルバムといえる。是非矢野顕子ファンは持っていてほしいアルバム。初めて矢野顕子を聞く人はこのアルバムから入るのはやめた方が賢明。アルバムタイトルからもわかるように矢野顕子にとってのフォークソングが多く、「more more and more」なんかいかにも矢野顕子といった選曲。個人的に「それだけでうれしい」「塀の上で」がいい。僕もピアノが弾けたらこうゆう曲を弾いてみたいと思う。
最近流行のボサノヴァをつくった人といえばこの人。ボサノヴァで推薦アルバムといえばどの雑誌でもこのアルバムは推薦されている。このアルバムなしにボサノヴァは語れないと思う。ボサノヴァといって思い出すのがガットギターのカッティングだと思うがこの人がすべてつくった、と言い切ってしまっていいぐらいで,完成度がすごく高い。「ワンノートサンバ」「デサフィナード」「黒いオルフェ」などスタンダードナンバーとなった曲が沢山入っている。全体としても38曲という伝説とつけるにふさわしいと思う。1950年代にこれだけお洒落な音楽が存在してたとはすごい。今聞いても全然古くさくない。この頃のCMでよく使われてるボサノヴァっぽい曲などのルーツはすべてこのアルバムにあると思う。内容、量,質とも国内版で2500円は安すぎるぐらいで,どこの誰ともわからん日本のアルバムが3000円もするのに比べて絶対買って損はないと思う。後「ゲッツ/ジルベルト」のアルバムでも買えば,普通の人からはかなり知ってるな、と思われるでしょう。
このアルバムは、東芝EMIから素晴らしすぎるという理由で発売禁止になった問題作。kitty recordというレーベルから出てる。それまでにも社会的な曲はあったが,その決定版ともいえるのがこれ。キヨシローは今はふつうの人っぽく感じるかもしれないが,やっぱり歌はいろんな意味ですごい。このアルバムがTIMERSやGO GO23'Sにつながってるといえる。(ちなみにTIMERSはキヨシローじゃなくてゼリーだけど)個人的にキヨシローの声がすごく好きで高校ぐらいのときは1日に一回は聞いてたと思う。RCは日本の中でも好きなバンドで初期のアコースティックのときから,コブラの悩みまでどれをとってもいいと思う。このアルバムの中ではシングルカットされた「LOVE ME TENDER」がいい。多分何回か聞いたらキヨシローの声にはまると思う。音楽の他にもキヨシローファンなら本「遊びじゃないんだ」「忌野旅日記」「生卵」などは読んだらいいと思う。「遊びじゃないんだ」はRCのルーツ的なことが書いてあって面白いと思う。個人的にはRCが活動を再開して欲しいと思う。やっぱりチャボと二人よりもRCとして活躍して欲しい。
日本のジャズシンガーといえばまずこの人を連想する人が多いのではないでしょうか。このアルバムよりお洒落30/30の時のアルバムがほしい。
ジャズヴァイオリニストの大御所中の大御所,ステファングラッペリの渋い演奏。この人はなんとジャンゴラインハルトと共演してて、(知ってる人も多いでしょうが)その人が弾いてると思えば何とも時代を感じる。曲は「HONEYSUKLE ROSE」が何と言ってもかっこいい。ヴァイオリンてこんなにかっこいいんかと思えるアルバムであろう。しかもジャケットから分かるように,もうはっきり言ってじじいである。それがこの演奏をするとは。多分演奏だけ聞いたらこんなじじいとは思われない。ヴァイオリンは五嶋みどりぐらいしか他にしらんけど,ヴァイオリンも聞くといいもんやと思う。
ブルース好きや,とか言ってもこのアルバムを聞ける人はあんまりいないと思う。クラプトンやキースリチャーズのギターが好きとか言う人は聞いて欲しい。何だこの音楽はと思うぐらい現在の音楽とはかけ離れている。日に何回も聞けば必ず聞けるようになるので,そこまでいけばかなりオタクになってるはず。僕はそうした人がたくさんいて欲しい。(なんで音楽聞くのにそこまでと思う人も多いでしょうか)その域まできたら,音楽をふつうに聞いてたら決して得られないものを得ることができると思う。まあそんなことになっても友達には馬鹿にされるだけで,いったところで「ロバートジョンソンって誰?」といわれるだけで話のネタにはならない。逆に知ってたら怖いと思う。でもロックの中でも名曲中の名曲となってる「CROSSROAD BLUES」を聞く価値はあると思いたい。
今日本人で一番いい歌詞を書くひとはこの宮沢和史やと思う。お洒落な歌詞やなあと思う。BOOMは初期のころはそこらへんのバンドと同じような曲が多く、あんまりいいとは思わなかったけど,この前のアルバムあたりから面白いと思うようになった。特にこのアルバムでは,「風になりたい」のようにサンバやボサノヴァといったブラジル音楽が中心で非常にいい出来だと思う。この中では「TOKYO LOVE」「carnaval」「poeta」がいい。ボサノヴァとかはポルトガル語で聞き難いという人もこのアルバムから入ってみたらいいのでは。個人的に僕はこのアルバムを限定版の方で買いました。でも限定版といってもジャズのように20ビット録音とかではなくて,単に入れ物が違うだけのようです。CDの色も灰色になってるけど音質とは関係ないと思う。
ブルースブラザースのベストといえばやはりこれ。これは映画のサウンドトラックやけど,出演者がすごい。レイチャールズにアレサフランクリン、ジェームズブラウンといった超大物が出てる。R&Bなんかが好きなひとは必携のアルバム。僕もこの映画は何回か見たけど,レイチャールズが特に良かった。是非映画を見てそこでかかってる音楽がいいと思ったら、このアルバムを聞いたらいいと思う。ブルースブラザースが好きな人は他にファーストアルバム「BRIEFCAFE FULL OF BLUES(ブルースは絆)」を聞いたらいいのでは。
BGMとしてギターを聞きたいならこのアルバムはぴったりやと思う。アッカーマンはウィンダムヒルを創った人で,ギターの音はなんて美しいんやろうと思うはず。クラッシクなどを聞く人はエリックサティのギター版と思ってくれればいい。 ひとつひとつの音がきれいで透明感があって,心がやすらぐような感じがする。こうした音楽が気に入ったら,このウィンダムヒルレーベルの他のアルバムを聞いたらいいと思う。ジョージウィンストンはあまりにも有名だが,他にも素晴らしい音楽が沢山ある。さらにこのレーベルのアルバムは録音が非常にいい。ものすごく録音に金をかけてるだけあって、楽器の音が空気中を漂ってる感じがする。このアルバムでは1曲目の「THE BRICKLAYER'S BEAUTIFUL DAUGHTER」がすごくきれいな曲。また「RAIN SEQUENCE」なんかはいかにもギターを弾く人が好きそうな曲になってる。アッカーマンの中では力強い「THE REDISCOVERY OF BIG BUG CREEK ARIZONA」が僕は好きです。
はっきり言ってこのアルバムは僕には非常に聞き難い。大体エレキギターの音のみではあまり聞かないので,このギターのみのソロは僕には合わない。やはりジャズはバンドでやって欲しい。
憂歌団はどのアルバムもいいが,アコースティックが好きな人にはこれを薦める。僕は個人的にボーカルの木村の声がすごく好きで,日本人でブルース歌わしたら、この人の右に出る人はいないと思う。顔をみるとジミー大西っぽい感じがするこの男がほんまに渋い声を出す。この人の声もものすごく特徴があって,一度聞いたら忘れない声で,どの曲を歌っても,木村らしい濃くて,くどい感じがする。木村は一度ライブで見たら分かると思うが,ぶち切れでなんかにとりつかれてるんとちゃうかと思うぐらいむちゃくちゃな感じ。その辺はライブアルバムが出てるので聞けば納得するでしょう。このアルバムでは「上海ラプソディ」「嘘は罪」がいい。
チェロのきれいな音が聞きたいならこのアルバムがいい。むちゃくちゃ録音がいい。ピアノの音とチェロの混ざり合う感じがすごくいい。ジャズをクラッシクのように室内楽ホールで,というのがこのアルバムのコンセプトでそれがすごくよく分かる。残響音とかの空間を感じることができると思う。このプロデューサーのチェロに対する愛情がうかがえる。1曲目の「IT MIGHT AS WELL AS BE SPRING」の出だしからハッとさせられる。いきなりピアノの音に思わず吸い込まれていきそうな感じがする。中には難解かなと思われる曲もあるがじっくり聞くにはいいアルバム。たまには何かをしながら音楽を聞くのではなくて,こうしたアルバムをじっくり文字通り鑑賞してみるのもいいもんだと思う。
マライアキャリーは声の張りがすごくいい。大体こうしたSOULっぽい歌を歌う人はディオンヌワーイックのように貫禄ある体型をしてるのに,ホイットニーヒューストンやマライアはあの体から何でこの声量がと思う。1曲目の「EMOTIONS」はドリカムの「決戦は金曜日」に似てる。でもこの曲の声はいつ聞いてもすごいと思う。ボーカルに力があると思うのはやっぱりこうした音楽やと思う。
HISっていうのは細野晴臣と忌野清志郎,坂本冬美の頭文字です。このアルバムのジャッケトの裏の3人の制服姿はかなり笑えると思う。特に細野晴臣が笑える。曲は坂本冬美がこぶしを演歌以上にまわしてて,おもしろい。個人的に「恋のチュンガ」の細野がなんかやる気なく歌ってるのがいい。あとはなんといっても「パープルヘイズ音頭」は必聴。あのジミヘンの名曲を音頭にしてしまってるところがすごい。かけ声なんかもはいってて,ジミヘンファンは怒るかも。僕はキヨシローファンなのでこのアルバムを買いました。
金子マリの声をなんで知ったかというとRCのバックボーカルとしてコブラの悩みのツアーに参加してたことや,夢の乱入者という関西ローカルの番組にでてたことで知った。この人ぐらい歌い手という感じがするのがぴったりの人も少ないと思う。別にテレビなどに必要以上に出るでもなく,歌を通してライブで活躍してて、歌で生きてる感じがする。声はというと、日本のジャニスといわれるほどでR&Bなどを歌わしたらすごくいい。ちなみに夢の乱入者では,アレサフランクリンなどが歌って有名なナチュラルウーマンを歌っていたけどすごく良かった。このアルバムでは2曲目の「それはスポットライトではない」がいい。後半の盛り上がりのところのボーカルの力強さが秀逸。
ばりばりのブルーグラスを聞きたいと思ってる人にはぴったりのアルバム。普段はロックなどを聴いてる人もこのアルバムを聞くと,ロックとは違うスピード感があることがよく分かると思う。特にバンジョーとマンドリンのいかにもブルーグラスというリフが嫌と言うほど聞ける。あの歯切れの良さは聞いててすごく気持ちいい。まあこのアルバムを1枚持ってれば大体この手の音楽がどうゆうもんかわかる。よっぽどのマニアでない限り、初めのうちはどの曲も同じに聞こえると思う。まあそれはどの音楽についてもいえることで,僕のように小室哲哉の音楽をほとんど聞かない人が同じように聞こえるのとかわらへんと思う。アルバムの中では「BLUE MOON OF KENTUCKY」がむちゃくちゃ有名。他にもブルーグラスのスタンダードが多く、「SALTY DOG BLUES」「THE DUCKOO BIRD」などが入ってる。
ボガンボスのROCK'N ROLL SHOWの3部作の3作目。前はロックとリズム&ブルースやったけど,ジャッケトの良さでこれにした。日本のバンドの中で楽器の演奏技術やったらピカイチ。たぶんメジャーになったバンドでここまでうまいのは他にないと思う。特にピアノはむちゃくちゃうまい。ボーカルのどんとは平成教育委員会にも出てたので知ってる人も多いと思う。もっと売れて良かったような気がするのは僕だけでしょうか。多分今やったら、シャ乱Qやウルフルズとかの関西バンドが出てきてるだけにボガンボズももっとやってれば良かったと悔やまれる。はっきり言ってウルフルズとかよりも音楽性,演奏技術とか全然いいと思う。(別にウルフルズは嫌いじゃない。)このアルバムでは「TWIST&SHOUT」「MONA LISA」「花」がいい。